東海豪雨から3年、治水対策を遅らせるな

平成15年9月議会

p-hatori-manga伊勢湾台風以来の甚大な被害を本市にもたらしたあの東海豪雨から3年が経過いたしました。財産の消失、生命の不安、精神的な痛手など、被災者が受けた被害の大きさは記録上の数字以上のものであり、決して消し去ることのできない記憶であります。

国及び県は、平成12年度から約870億円の総事業費をもって庄内川、新川及び天白川を対象に河川激甚災害対策特別緊急事業に着手し、河川改修を進めております。

また、本市においても、雨に強いまちづくりを目指して緊急雨水整備事業の推進に取り組んでおります。また、定点観測システムや同報無線の整備、洪水ハザードマップの作成、配付など、いわゆるソフト面の施策も並行して展開されております。
 

庄内川・新川激特事業どの程度進んでいるのか

豪雨治水対策は、河川整備と内水対策、ハードとソフトの施策が一体となって進められて初めて地域の安全性が向上するものであり、多くの市民がこれらの施策の着実な推進を期待し、注視しております。

さて、去る9月8日、国及び愛知県に対して、新川の堤防決壊の行政責任を問う住民の訴えが名古屋地方裁判所に起こされました。3年を経てなお、東海豪雨の残した傷跡の深さを感ぜずにはおられません。

都市における水害の防止は、過去の災害の教訓を踏まえ、まずは雨水の受け皿である河川整備を着実に進めることであります。庄内川・新川激特事業は、5年という限定された期間の中で事業がどの程度進んでいると把握をしておられるのか、その進捗状況について当局に伺います。
 

今年度末の進捗率は8割を超える

【市の答弁】
庄内川及び新川につきましては、河道の掘削、堤防のかさ上げや強化、橋梁の改築などを実施しており、進捗率は平成14年度末で、両河川とも5割を上回っています。平成15年度は、庄内川では福徳地区を初めとする河道の掘削、万場地区を初めとする堤防の強化、また、新川では、治水緑地の掘削や堤防の強化を初めとする工事を予定しており、今年度末の進捗率といたしましては、ともに8割を超えると伺っておるところでございます。

また、地域の治水に対する安全度を高めるため、激特事業完了後の両河川のさらなる整備につきまして、庄内川整備促進期成同盟会活動などの機会を通じ、国や県に対し積極的に要望してまいります。
 

激特事業と内水対策というのは一体不可分

p-hatori-manga庄内川・新川激特事業の進捗について、年度中に8割を超えるということで順調に進んでおるようですが、なかなかこの情報が伝わってこない中で、当時の被災者の方々を中心に、ひとまず安心されると思います。この激特事業と本市の内水対策というのは一体不可分なものです。激特事業が進んでいけば、内水対策も進められるわけで、今後も関係各方面と連絡調整を密にして取り組んでいただきたい。

また、激特事業が終わればそれで終わりということではありません。要は東海豪雨の教訓を風化をさせてはいけないということです。さまざまな手段を講じて、市としても国、県への声を引き続いて上げていただきたいと要望します。