平成20年9月議会
子ども基金の創設についてお尋ねをいたします。
国の子育てに対する公費投入額は、先進国の中では低レベルです。平成21年夏の総選挙においても、子ども手当の創設など子育てに関する施策が政権選択の大きな争点となりました。
本市では平成20年4月になごや子ども条例を施行。現在は、子どもに関する総合計画の策定を進めているところです。市長も子ども医療費の対象拡大や、子育てバウチャー制度の導入など、この分野で重要な新規・拡充施策をマニフェストに掲げておられます。いずれにせよ、子供や子育てに関する施策については、これまで以上に予算を投入する分野でありますが、その財源をいかに確保していくかが大きな課題です。
歳入の変動に左右されることなく、施策の継続や新規、拡充等に一定の効果
はっとり将也は、子ども基金を創設すべきと思います。基金を設置し、幅広い寄附の受け皿として定着をすれば、経済状態の変化に伴う税収減など、歳入の変動に左右されることなく、施策の継続や新規、拡充等に一定の効果が期待できます。
また、新型インフルエンザなど子供の安心・安全を脅かす災害や事件が発生した時に、緊急の対応への活用も考えられます。さらに、子育て関連NPOへの支援に充てることも考えられます。
子供や子育てに関する基金については現在、市の社会福祉協議会の福祉基金の中で、子育て支援のために活用するといった対応がなされております。市の財政状況が厳しい中で、まずは現実的な方法としてスタートしたものと思います。しかし、社会的なアピールという意味でも、もう一歩進めて、市が設置する単独の子ども基金が必要ではないかと思うのです。
新たな基金を設けるということになれば、若干の市費投入も必要になりますが、現下の厳しい財政状況の中では、市費の投入は最小限に抑え、まずは市民からの寄附の受け皿をつくるということが大切だと考えます。その上で、市民への広報、アピールを工夫すれば、子供のためならと寄附を申し出る市民の方は少なくないと私は思います。また、お金をかけずにPRをすることも可能であります。
財政状況が厳しく、子供のための予算の確保も困難なときだからこそ、幅広い市民の力を活用する仕組みづくりが必要だと考えますが、いかがでしょうか。子ども基金の設置についての市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
子ども基金の創設について、寄附という方法でやっていきたい
名古屋市が基金をつくるのではなく、地域の団体が寄附を募る方法がよい
【市長の答弁】
子ども基金の創設について、服部さんが言われたように、寄附という方法をやっていきたい。寄附というのは選択的税金というか、競争的税金みたいなものです。自分で選択できるわけです、税金の使い道を。嫌なら出さぬでもいいですから。反対に、集めるほうは競争して集めないかん。当たり前のように来ませんから、寄附でやった場合。 だから、当然のことながら活動を全部オープンにせなならぬし、ええことをやらぬことには金は来ません。寄附に転換するというのは非常にええことです。
ただ、名古屋市が基金をつくるのではなく、例えば地域委員会とか、それからNPOとかが自ら団体をつくって寄附を募る。そのかわり、うちらは今こういうことをやっていますよと全部オープンにして、競争的な資金にする。これが本当に盛り上がってくるというか、ええところにたくさんお金が集まるということです。
寄附を定着させるための効率的な受け皿づくりが前提
子ども基金について市長のお考えを伺いました。市民一人一人が社会の課題についてテーマごとに寄附をして、それを支えていくという仕組みづくりというのは、一足飛びにはなかなか定着しないのではないか。やはり市が広報力、あるいは力を生かしてサポートしていくということを、考えていかなければならない。特に、子ども基金を展開するに当たって、さまざまなバリエーションが考えられる。例えば、市が基金を活用すると同時に、子育て関連のNPOに分配をするという方法だって考えられる。
いずれにしても、まずは効率的な受け皿づくり、例えば地域委員会を受け皿にするとして、地域委員会の数だけ受け皿をつくるというわけにもいかぬのではないだろうかと率直に思いますので、ぜひ効率的な受け皿をつくるべきです。今のままでは不十分だという認識では一致しておると思いますので、ぜひ検討なり研究なりしていただきたい。その件について再度いかがですか、市長さん。
服部議員の提案について、よく考えてみます
【市長の答弁】
地域で寄附の受け皿になる団体を、早くつくったほうがええですよ。活動の競争が起こりますから。名古屋市がやると1個しかない。無駄遣いがあるとか、ろくでもないとかいってやっとるじゃないですか。地域団体、寄附の受け皿が競争するような状況を早くつくると思っておりますけど、せっかくのお申し出でございますので、一遍よう考えてみます。