平成20年9月議会
農業用水路の平常時の課題について、特に関係自治体との協議についてお尋ねをいたします。毎年、田植えの時期になりますと、各地で水路から水田に水を引き込む作業が行われます。北区の如意地区周辺でも、約80軒の農家が約9ヘクタールの水田で米づくりを行っておられます。
水田はその保水機能や景観向上など多面的機能により、地域においては重要な役割を果たしています。その水田に使用する水は、木曽川を水源とする木津用水を利用しておりますが、その水は小牧市や春日井市などを経由し、春日井市内の堰で水量調整されて、北区の如意地区周辺の水田へ送られてまいります。
これまで近隣市町村との協議の場、一回も設けられたことなし
この長い水路の管理は、木津用水の場合、主要幹線については木津用水土地改良区という団体が行っていますが、それ以外の水路は地元の自治体が担当しております。
従って、春日井市内の堰の水量調整や施設の管理は、その水のほとんどを使用する名古屋市ではなく、地元の春日井市で行っています。このような形で、堰の調整や管理が実質的に他の自治体にゆだねられているところは、市内では北区の如意地区周辺だけです。
今年この堰の水量を調整する機械に不具合が生じ、水量が少なくなったトラブルが発生しています。過去には操作の誤りなどが原因で水田に水が来ないなどの声も、農家の方々から上がっております。堰を管理する春日井市に対し、本市から改修を要望したり、あるいは相談すべきではないでしょうか。また、春日井市内にある堰や水路の管理について、春日井市と名古屋市がもっと調整を図り、農家の方が安心して農業用水を利用できるようにすべきであります。
そこで、提案をしつつ伺います。
農業用水の水量調整や施設の管理について、市内の農家との連絡調整や農業施設の管理を行っている緑政土木局が、春日井市と協議の場を設け、農業用水の安定供給に向け検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。これまで近隣の市町村との協議の場が設けられたことはありませんが、初めての取り組みとして実行すべきと考えます。緑政土木局長の御見解を伺います。
堰の本格的改修を春日井市に要望へ、水の安定供給のため定期的に協議の場
【市の答弁】
北区如意地区周辺の水田が、春日井市にある堰の一つの不具合により水量が安定しないため、地元農家の方が水田の水張りに御苦労されていることは承知しております。この堰は施設が老朽化しており、修繕では対応できない状況になりつつあると伺っております。
今後の対応ですが、堰の本格的な改修につきましては、春日井市に要望してまいります。また、堰の故障を契機として、議員御提案のありましたように、春日井市と本市で農業用水の管理などについて定期的に協議する場を設け、市内の農家の方々への水の安定供給に努めてまいります。
協議の場なかったのが不自然!名古屋市の農業用水への意識が低い
名古屋市の農業用水の存在に対する意識が高いとは言えないことを残念ながら感じました。この程度の協議の場というのはあってしかるべき、これまで設置がされなかったことが不自然です。協議の場を設けるのであれば、ぜひ農家の方々や、あるいは農業土木委員さんたち、現場の方々の声をぜひ反映し得るものにしていただきたいと要望します。